Letter

海洋:外洋における溶存有機成分の経年変化および貯蔵の変動

Nature 430, 7002 doi: 10.1038/nature02780

海水の溶存有機物(DOM)は、海洋中における交換可能な有機炭素の最大の貯蔵庫であり、その量は大気中の二酸化炭素量に匹敵する。しかし、プランクトンに由来する数種の成分を除けば、その組成、回転時間、運命についてはほとんどわかっていない。したがって、DOMサブコンポーネントの細菌による再利用の時間スケールと、「生物ポンプ」を介して生産されたDOMサブコンポーネントでの炭素貯蔵の時間スケールを比較する情報がないため、完全な海洋炭素循環モデルができないのである。本論文では、大西洋および太平洋外洋の炭水化物様およびタンパク質様の物質が、かなり経年数の長い場合があるものの、DOMの経年数の短い部分を構成する一方で、溶存脂質親和性物質の最大約90%に化石起源の性質がみられることを報告する。水柱全体で観察されるDOMの平均経年数が千年スケールであるのとは対照的に、海洋表面におけるDOMの重み付けされた平均回転時間は十年スケールに過ぎない。大きさと経年数の間に連続性が認められたことからさらに、低分子量の溶存分子は最も経年数の長い状態の有機物であり、より高分子量で経年数の短い溶存性および粒子性の前駆物質と比較してかなり緩やかに循環していることが示さた。この連続性は海洋に含まれる有機物の経年数および大きさと反応性を直接結びつけている。

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