Letter 材料:ダイヤモンドの表面移動ドーピング 2004年7月22日 Nature 430, 6998 doi: 10.1038/nature02751 多くの材料の電気的性質は、ドーピングと呼ばれる過程によりバルクの結晶格子に適切な不純物を導入することで制御できる。この方法で絶縁体としてよく知られているダイヤモンドを半導体に変換でき、薄膜ダイヤモンド合成の近年の進歩により半導体の性質をもつダイヤモンドの潜在的なアプリケーションへの関心に火がついた。しかし、ドーパントの活性化エネルギーが高く(0.36 eVを超える)、ドナーの組み込みが(111)成長面に限定されていることが、ダイヤモンドをベースとした素子の開発の障害となっている。今回我々は、ダイヤモンド格子への異原子導入が不要な方法によるダイヤモンドのドーピング機構を報告する。水素終端ダイヤモンド表面にC60分子を蒸着すると、この分子が表面下でのホールの蓄積と2次元伝導率の大幅な上昇を引き起こす。今回の観測は、水素化されたダイヤモンド表面を空気にさらしたときに見られる、ダイヤモンドのいわゆる表面伝導率に似ており、水性表面層の水和プロトンの還元によりホール蓄積層が生じるという電気化学モデルを支持する。我々は、C60による移動ドーピングにより半導体としてのダイヤモンドの応用が大きく開けると期待している。 Full Text PDF 目次へ戻る