Letter 物性:量子ドットにおける1個の電子スピンの単発読み出し 2004年7月22日 Nature 430, 6998 doi: 10.1038/nature02693 スピンはすべての素粒子の基本的性質である。古典的には小さな磁気モーメントと見なせるが、外部磁場に沿った方向で電子スピンを観測すると、磁場に平行か逆平行という2通りの結果しか出ない。この離散性はスピンの量子力学的性質を反映している。多数のスピンの集合が磁気共鳴画像法から磁気−電子素子までさまざまに応用されている一方、個々のスピンは量子情報の担体と考えられている。単一スピンの状態の読み出しは光学技術を用いて達成され、磁気共鳴力顕微鏡でも手が届きそうだ。しかし、単一スピンの電気的読み出しはこれまで困難であった。今回我々は、半導体量子ドット中の1個の電子スピン状態の電気的な単発測定を行った。ドットに閉じこめられた単一電子のスピン−電荷変換を用い、量子点接触を用いて単一電子の電荷を検出した。スピン測定のビジビリティは約65%であった。さらに、非常に長い単一スピンエネルギー緩和時間(8 Tの磁場で最大約0.85 ms)を観測した。これは、電子スピンの量子情報担体としての利用に希望を与えるものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る