Letter 植物科学:光合成による水の酸化反応中間体の検出 2004年7月22日 Nature 430, 6998 doi: 10.1038/nature02676 我々が呼吸する酸素は、シアノバクテリアおよび高等植物の光化学系IIによって産生される。触媒中心であるMn4Caクラスターは、酸素の形成前に4当量の酸化力を蓄積する。酸素の発生は、2H2O⇔O22+4H++4e-という1段階の反応によると考えられている。この反応のエネルギーおよびサイクリングは光のみによるものである。水の酸化生成物中間体は現在まで見つかっていない。本論文では、酸素分圧を高め、水に結合した電子が触媒中心に移動するのを近紫外スペクトルにおける吸光度変化によって追跡することで、最終反応の平衡を逆方向にずらした。反応液にかかる酸素分圧を10倍(2.3 bar)に上げると、酸素発生方向への反応進行の半分が抑制された。飽和圧(30 bar)で起こる残りの電子移動は、安定な中間体の生成と矛盾しない。水からの4個の電子の抜き取りは、触媒中心の最高酸化状態から中間体への穏和な吸エルゴン反応と、中間体から酸素に至る発エルゴン反応の少なくとも2段階の電子移動に分けられると考えられた。光合成生物にとって、大気中の酸素濃度が現在のレベルよりかなり高くなった場合に、酸素発生反応を行う余裕はほとんどないといえる。 Full Text PDF 目次へ戻る