Letter

脳:言語に先立つ概念

Nature 430, 6998 doi: 10.1038/nature02634

ヒトの言語は音や意味がさまざまであるため、子供は自分たちの言語がどのような特徴を使っているかを学習しなければならない。音声知覚に関して、このような学習は選択的である。つまり、乳児は最初、あらゆる言語で使われている聴覚的な特徴の大半に感受性を示すが、この感受性は、言語に特異的な機構ではなく、聴覚系の基本的特性を反映している。しかし、母語以外の音の特徴に対する乳児の感受性は生後1年の間に低下する。そこで我々は、単語の意味の学習が同様の過程により調節されているのではないかと考えた。今回我々は、英語が話される環境にいる5か月齢の乳児を対象に、一方の物体が他方の物体に「きつく」はまっているかそれとも「ゆるく」はまっているかという2つの概念の違いに対する感受性を調べた。この違いは韓国語でははっきりしているが英語ではそれほどでもない。対象児は韓国語を話す成人と同様に、しかし英語を話す成人とは違って、この違いを認識して、一連の「動かして接触させる(motion-into-contact)」動作を、「きつい」と「ゆるい」のカテゴリーに分けた。乳児にみられる、このような違いに対する感受性は、ヒト以外の動物と共通する物体力学の表現と関連がある。したがって言語の学習は、音および意味の既存の普遍的表現に言語形式を関連づけることで発達すると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度