Article

生態:線虫の酸素感知と社会的摂食行動にはグアニル酸シクラーゼ相同体が関与する

Nature 430, 6997 doi: 10.1038/nature02714

神経系には酸素感知に特殊化した細胞があり、酸素に対して迅速な行動反応を生じる。本論文では、線虫Caenorhabditis elegansが5〜12%の酸素に対して行動的に強い好みを示し、この範囲より上および下の酸素レベルを忌避することを報告する。3', 5'‐環状グアノシン一リン酸(cGMP)は感覚情報伝達系でよく見られる二次メッセンジャーであり、酸素感知への関与が考えられている。線虫の高酸素レベル忌避には、感覚のcGMP依存性チャネルtax-2/tax-4と、特異的な可溶性グアニル酸シクラーゼ相同体のgcy-35が必要である。GCY-35ヘムドメインは、古典的な一酸化窒素制御型グアニル酸シクラーゼのヘムドメインと違って、分子状酸素に結合する。線虫の本来多型的な社会的摂食行動を支配する4個の感覚ニューロンのうち、GCY-35とTAX-4は酸素感知に関わっている。社会的摂食とこれに関連する行動は、酸素が線虫の好むレベルを超えた場合にのみ起こり、その行動発生にはgcy-35活性が必要である。今回得られた結果から、GCY-35は分子状酸素によって制御されており、社会的摂食行動は酸素過剰環境に対応するための行動戦略であると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度