Letter 海洋:新生代初期の温暖期に北太平洋で深層水が作られた証拠 2004年7月1日 Nature 430, 6995 doi: 10.1038/nature02639 海洋の深層循環は、全球的な熱輸送で大きな役割を演じている。現在の循環モードでは、表層水が十分冷たくかつ高密度になって沈降する北大西洋と南大洋で深層水が作られる。新生代の気候最温暖期(約6,500万年前から4,000万年前まで)には極両域の温度は今日よりかなり高かったが、それは海洋の熱輸送が増大した結果であったのかもしれない。しかしながら、深層循環と古気候との関係の解明は、海洋の出入口が変化しており、深層水の作られる場所とその循環の仕方に影響を与えているため難しい。本論文では、深層水の作られる場所が約6,500万年前に南大洋から北太平洋に移ったことを示す、太平洋の2本のコアから得られたネオジム同位体記録を報告する。深層水の形成水域は、4,000万年前に南大洋に戻った。ネオジム同位体記録と酸素同位体記録が変化する時期の相対的なずれは、新生代の深層水循環パターンの変化が、新生代の極端な高温の原因ではなく、結果であったことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る