Article 進化:酵母におけるゲノムの進化 2004年7月1日 Nature 430, 6995 doi: 10.1038/nature02579 比較ゲノミクスによって真核生物ゲノムの進化の仕組みを明らかにしようとしても、個々の系統がたどった進化過程で起こった多数のできごとは、個々の生物のゲノムにはゆがんで重なり合った痕跡しか残していないことから、解析が難しくなっている場合が多い。半子嚢菌類酵母はゲノムが小型で生活形態が似ているが、生殖様式や生理的性質に明確な違いがあるため、このような機構を調べる貴重な材料となる。本論文では、4種類の酵母の組み立てられた完全ゲノム配列を報告する。4種類の酵母は、真核生物の1つの門の中で進化的見地から幅広い範囲を代表するよう選んだもので、解析したところ、分子レベルで脊索動物門全体と同じくらい多様であることが判明した。新たに同定された遺伝子の総数は約24,200で、その翻訳産物をSaccharomyces cerevisiaeのタンパク質とともに約4,700のファミリーに分類し、種どうしを比較する基盤とした。染色体地図やゲノムの重複性の解析から、酵母の異なる系統は、縦列遺伝子反復の形成や分節の重複、ゲノムの大規模な重複、広範囲にわたる遺伝子喪失など、いくつかの異なる分子機構の明らかな相互作用を経て進化してきたことが判明した。 Full Text PDF 目次へ戻る