Letter 神経:アレチネズミの半側蝸牛で調べた成体外有毛細胞の機械電気シグナル変換 2004年6月17日 Nature 429, 6993 doi: 10.1038/nature02591 哺乳類の蝸牛の感覚受容細胞は、形態的にも機能的にも大きく2つに分けられる。内有毛細胞は聴覚情報を脳へと伝達し、外有毛細胞(OHC)は機械的シグナルを増幅し、これが内有毛細胞によって伝達される。OHCによる増幅は、おそらく機械的フィードバック過程におけるOHCの体細胞運動性を介して起こるのだろう。in vivoでのOHCの運動は、OHCの受容器電位によって駆動されていると考えられる。受容器電位が生じる第一段階は不動毛束のたわみで、つづいて不動毛先端に位置する機械刺激感受性の変換チャネルを通して電流が流れる。変換された電流と基底膜のずれとの定量的関係は解明されていないし、蝸牛の長軸方向の位置に応じた違いも同様である。今回、この問題にとり組むべく、OHCの変換電流(または受容器電位)と基底膜の動きとを同時に摘出して2つに分断した蝸牛(半側蝸牛)を使って記録した。このような半側蝸牛では、基底膜に機械刺激を与えながら、蝸牛のさまざまな位置で成体OHCからの電流を記録できる。しかも、in vivoでの場合と同じ刺激方法で、不動毛をたわませられる。本論文では、非対称的な変換電流と受容器電位がこれまで考えられていたよりもはるかに大きいこと、ダイナミックレンジが非常に限られていること、蝸牛上での位置によって大きく違うことを明らかにする。 Full Text PDF 目次へ戻る