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生理:Sirt1はPPAR-γを抑制することによって白色脂肪細胞での脂肪の動員を促進する

Nature 429, 6993 doi: 10.1038/nature02583

酵母から哺乳類にいたるさまざまな生物で、カロリー制限を行うと寿命が長くなる。酵母では、カロリー制限の寿命延長作用にSIR2遺伝子がかかわっている。本論文では、哺乳類のSIR2オーソログであるSirt1(sirtuin 1)が、哺乳類のカロリー制限における重要な現象、すなわち白色脂肪細胞における脂肪の動員を活性化することを明らかにする。食物を減らすとSirt1タンパク質は、脂肪調節因子PPAR-γ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体-γ)によって調節されている、脂肪の貯蔵を仲介する遺伝子などに結合し発現を抑制する。Sirt1は、PPAR-γの補因子であるNCoR(核内受容体コリプレッサー)とSMRT(silencing mediator of retinoid and thyroid hormone receptor)に結合することでPPAR-γの働きを抑制している。Sirt1+/-マウスでは、飢餓時に起こる白色脂肪細胞からの脂肪酸動員が低下する。Sirt1によるPPAR-γの抑制は3T3-L1脂肪細胞でも明らかで、Sirt1を過剰に発現させると脂肪生成が低下し、Sirt1をRNA干渉で抑えると脂肪生成が亢進する。分化した脂肪細胞でSirt1を上方制御すると、脂肪の分解が起こって脂肪が減少する。脂肪の減少だけでマウスの寿命の延長は十分起こるので、今回見つかったものは、哺乳類のカロリー制限と寿命の延長とを結びつける分子経路であろうと考えられる。

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