Letter 気候:全球的な氷期の終了に必要な大気中二酸化炭素レベルの高さ 2004年6月24日 Nature 429, 6992 doi: 10.1038/nature02640 約9億年前から5億4,300万年前にわたる原生代後期になっても地球が全球的な氷期の時代を経験した可能性については、広く議論されてきた。このような「ハード・スノーボール・アース」の気候状態の終了は二酸化炭素が大気中に蓄積した結果であると考えられてきた。このスノーボール・シナリオにおける目立った様相の多くは、退氷の引き金となるのに必要な大気中の二酸化炭素濃度の閾値に決定的に左右される。本論文では、二酸化炭素レベルを上げた大循環モデルによるシミュレーションによって、この退氷閾値を推定した。このモデルは「スノーボール・アース」シナリオにおいて重要であると考えられているいくつかの現象、すなわち冬季の鉛直温度傾度の減少、夏季の圏界面高度の下降、積雪の効果、雲による温室効果の低下といった現象をシミュレートするが、これらの現象は、精巧度の低いモデルを用いたこれまでの研究では、考慮に入れられていなかった。今回のシミュレーションでは、現在のレベルの550倍の大気中二酸化炭素濃度(0.2バール)においてさえ、このシステムは退氷を生じさせるにはまったく不十分である。ずっと高い二酸化炭素レベルにおいても、このモデルに取り入れられていない未知のフィードバックサイクルが作用しない限り、退氷は起こりそうにないことが分かった。 Full Text PDF 目次へ戻る