Letter 生化学:電位依存性カルシウムチャネルβ-サブユニットとα-サブユニットドメインとの複合体の構造 2004年6月24日 Nature 429, 6992 doi: 10.1038/nature02588 電位依存性カルシウムチャネル(CaV)は、筋収縮、ホルモンや神経伝達物質の放出、ニューロンの移動、カルシウム依存性シグナル伝達カスケードの活性化、およびシナプス入力の統合を制御している。CaVに不可欠な細胞内タンパク質であるβ-サブユニット(CaVβ)は、孔形成サブユニットα1の膜貫通ドメインIとIIの間にある保存されたドメイン(α-相互作用ドメインAID)に結合し、電位依存性活性化、不活性化の速度、Gタンパク質による調節、薬物感受性、細胞表面での発現など、チャネルのさまざまな特性に大きな影響をおよぼしている。今回我々は、保存されたコアであるCaVβ2aの単独での結晶構造と、AIDとの複合体での結晶構造を高分解能で決定した。以前の研究では、保存された領域であるβ-相互作用ドメイン(BID)がAID結合部位を形成するとしていたが、この領域は大部分がCaVβコアに埋まった形で、タンパク質-タンパク質相互作用には関われない。代わりにAID-CaVβ2a複合体の構造から、CaVβ2aが保存された広範な疎水性の溝(α-結合ポケットABPと名づけられた)を介してAIDと結合することが明らかになった。ABP-AIDの結合が生じる位置は、CaVβの一端の、IS6と呼ばれる孔の内側部分の細胞内側の末端付近であり、ここはCaVの不活性化に重要な役割を担う。これらのデータを総合すると、CaVβは、チャネル孔内のIS6の動きを直接変化させることによってCaVの開閉に関わっていることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る