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神経:成体の海馬で新たに生じた顆粒細胞に見られるシナプス可塑性の増強

Nature 429, 6988 doi: 10.1038/nature02553

脊椎動物の脳では、一生の間絶えず、さまざまな領域で神経幹細胞からニューロンが生じている。哺乳類の海馬は空間記憶、エピソード記憶に重要な領域で、毎日数千個もの新しい顆粒細胞がつくられており、その個数は環境条件や身体運動に応じて変化する。これらのニューロンの生存は学習によって改善され、また逆に学習はニューロンの生成によって促進される。新たに生じたニューロンには、学習を容易にするような特殊な性質が備わっていることが示唆されているが、これらのニューロンの可塑性をもたらす細胞レベル、シナプスレベルの機構はほとんど解明されていない。本論文では、成体海馬の若い顆粒細胞が、膜の能動特性、受動特性ともに成熟顆粒細胞とはかなり異なっていることを明らかにする。若いニューロンでは、T型Ca2+チャネルが独立したCa2+スパイクを発生し、速いNa2+活動電位を増大させて、シナプス可塑性の誘導に寄与する。若いニューロンでは、同一条件下の成熟ニューロンに比べ、連合長期増強が誘導されやすい。つまり、新たに生じたニューロンはシナプス可塑性を高める独特な機構を備えており、これが新しい記憶の形成に重要な役割を果たしているのかもしれない。

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