Letter

気候:最後の間氷期における中東の温度の季節性の増大

Nature 429, 6988 doi: 10.1038/nature02546

最後の間氷期(約125,000年以前)は、少なくとも現在の気候と同程度には温暖であったと考えられる。太陽を回る地球軌道の変化によって、北半球の日射は季節的な時間スケールで今日より強く変動し、これに対応して季節的な温度サイクルに変化が生じていたであろうと考えられる。本論文では、最後の間氷期、完新世後期、そして現在の気候を記録している紅海最北部から得られたサンゴを用いて、季節毎に分解した温度代理指標の記録を示す。ここから最後の間氷期のサンゴに記録されている温度の季節性が増大していることが見出された。北大西洋振動は北大西洋域の冬の温度と降水量に強く影響する気候振動であるが、現在、紅海北部の気候はこの北大西洋振動に対して敏感に反応している。大気海洋循環結合モデルを用いたシミュレーションとサンゴの記録から判断すると、最後の間氷期を通じて北大西洋振動指数が高い状態へ向かう傾向はヨーロッパの温度代理指標の記録と一致しており、中東における季節サイクルの振幅の増大に寄与していたと結論できる。

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