Letter

医学:実在の都市社会ネットワークを利用した疾患大流行のモデル化

Nature 429, 6988 doi: 10.1038/nature02541

疾患蔓延の数理モデルの大半は接触過程として、均一混合を想定した微分方程式か、あるいは特別の(ad hoc)モデルを採用している。今回我々は、特異的な場所の間を行き来する個人の移動から生じる身体接触パターンのモデル化への動的な二部グラフの使用について調べた。こういうグラフは、実際の人口調査データ、土地利用データ、人口移動データから構築した大規模な個人単位での都市交通シミュレーションによって作りだせる。人どうしの接触ネットワークは、次数分布として明確なスケールをもつ強く連結した「スモールワールド」型グラフとなることがわかった。ただし、居所のグラフはスケールフリーであり、そのため、居所のネットワークのハブ(接続の集中する箇所)に監視装置を置くことで大流行を効率よく発見できる。この大規模なシミュレーションを枠組みとして、次に天然痘蔓延に対して提案されているいくつかの緩和戦略の長所を相対評価した。得られた結果からは、対象を絞り込んだワクチン接種に早期発見を組み合わせる併用戦略によって、集団接種に頼らずに大流行を阻止できると考えられる。

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