Letter 生化学:構造的なスイッチによってD型肝炎ウイルスのリボザイム触媒反応が制御される 2004年5月13日 Nature 429, 6988 doi: 10.1038/nature02522 リボザイムはタンパク質酵素と同じ触媒方法の多くを用いて化学反応速度を高める。D型肝炎ウイルス(HDV)リボザイムでは、ウイルスRNAホスホジエステル主鎖の部位特異的な自己切断に二価の陽イオンとシチジンヌクレオチドの両方を必要とする。一般的酸塩基触媒作用、基質の不安定化、全体的および局所的なコンホメーション変化は全てリボザイムの触媒機構に関与していると示唆されてきた。本研究で我々は、自己切断前のHDVリボザイムの10個の結晶構造を報告し、シチジンは前駆体構造中で2’-OH求核基を活性化させるような位置にあることを示す。この結果は、反応機構においてこの基が一般塩基としての役割を果たすという仮定を裏付けるものである。自己切断前と後のリボザイム構造を比較することにより、切断後のRNAにおける顕著なコンホメーション変化が明らかになり、触媒反応上重要な二価の金属イオンは活性部位から追い出されることがわかった。HDVリボザイムは、生物学的活性に構造的ダイナミクスが不可欠なタンパク質リボヌクレアーゼやチモーゲンに化学的に非常に類似している。この発見から、RNAの構造的な再構成によってリボザイムやリボ核タンパク質酵素の反応が制御されていることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る