Letter 生化学:Gタンパク質共役型オーファン受容体のリガンドでもあるクエン酸回路中間体 2004年5月13日 Nature 429, 6988 doi: 10.1038/nature02488 クエン酸回路は、エネルギーの恒常性と細胞の代謝の調節に中心的な役割を果している。クエン酸回路の反応を触媒する酵素に変異が起こるとさまざまな臨床症状を呈するヒトの疾患につながる。クエン酸回路の中間体は血液中にマイクロモル濃度で存在し、呼吸、代謝、腎臓での再吸収/排泄によって調節されている。本論文では、これまでGタンパク質共役型のオーファン受容体(GPCR)とされてきたGPR91が、クエン酸回路の中間体であるコハク酸の受容体として働くことを明らかにする。また、GRP91に非常によく似たGPR99が、やはりクエン酸回路の中間体であるα-ケトグルタル酸に応答することも明らかにする。つまりコハク酸とα-ケトグルタル酸は、GPCR類のリガンドとして働くことによって、従来知られていた役割とは別にシグナル伝達系でも機能していることがわかる。さらに、コハク酸は動物の血圧を上昇させることも報告する。コハク酸による昇圧作用には、レニン-アンギオテンシン系がかかわっており、GPR91欠損マウスでは、昇圧作用は見られない。今回の結果は、アテローム性動脈硬化症、糖尿病、および腎不全に密接なかかわりのある腎血管性高血圧症において、GPR91が果たしている可能性のある役割を示唆するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る