Letter 細胞:細胞外間隙に放出された成長因子を介する機械刺激伝達 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02543 さまざまな細胞、組織、生物において、物理的な力は生化学的なシグナル伝達を引き起こし、基礎的な生物学過程の制御を助けている。物理的な力と細胞内シグナル伝達経路とを結びつける仮説がいくつか出されてきたが、多くの場合、機械刺激伝達の分子機構は明確にされていない。今回我々は、圧縮応力により上皮細胞周辺の細胞間隙が圧縮され、それが刺激となって、上皮成長因子受容体に自己分泌性の上皮成長因子ファミリーのリガンドが結合し、細胞シグナル伝達が引き起こされることを明らかにする。数理解析による予測では、縮んでいく細胞間隙に一定速度で自己分泌性リガンドが流入すると、局所的にリガンド濃度が上昇する。これで観察された受容体によるシグナル伝達が起こることを十分説明できる。圧縮応力の刺激で起こるシグナル伝達と外因性の可溶性リガンドによるシグナル伝達との実験による直接比較でも、この予測が裏付けられた。これらの結果から、動的に制御された細胞外間隙で働く自己分泌リガンド-受容体回路によって機械刺激伝達が生じる仕組みが明らかになった。この仕組みでは、細胞内や細胞膜内で力に依存する生化学過程を誘導する必要はない。 Full Text PDF 目次へ戻る