Letter 化学:分子レベルで構造制御された鋳型を用いる立体規則性重合 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02525 酵素は、規則的な構造をもつ分子スケールの空間内で単量体を組織化し、また、水素結合のような弱い非共有性相互作用を利用して重合過程を制御することにより、生体高分子を効率的に合成する。この「鋳型」による高分子合成法は、構造的に制御された分子スケールの空間が原理的には精密な重合のための固相反応部位となり、魅力的だが難題でもある。以前に、立体規則性のイソタクチック(it)またはシンジオタクチック(st)ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含む溶液中でメタクリル酸メチルのフリーラジカル重合を行うと、ファンデルワールス相互作用による立体複合体形成に基づき、it にはst、またstにはitに富むPMMAが鋳型合成されることが示されていた。しかし、固体の鋳型を用いて高分子の立体化学構造を規制することには、まだ十分な結果が得られていない。今回我々は、単純な積層法で作製される高分子の多孔性超薄膜を用いると、立体複合体形成によるメタクリル酸メチルの高度な立体規則的鋳型重合を効率よく行えることを示す。この鋳型における反応は、鋳型内部の持つ立体規則性、分子量、組織化という構造特性を生成する高分子に正確に伝えるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る