Letter 生理:細菌の一酸化窒素合成酵素によるペプチド植物毒素のニトロ化 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02504 一酸化窒素(NO)は哺乳類における強力な細胞間シグナルであり、高等生物の血圧、ホルモン放出、神経伝達、免疫応答の重要な側面に関与している。哺乳類の完全長の一酸化窒素合成酵素(NOS)に相同なタンパク質は下等多細胞生物で見つかっている。最近、ゲノム塩基配列の解読により、一部の細菌が、短縮型NOSタンパク質をコードする遺伝子を含むことがわかった。これは、細菌抽出物中にNOS様活性が認められるという報告と一致する。細菌のNOSの生物学的機能は不明であるが、哺乳類でNOSが果たす役割に似たものであると考えられてきた。本論文では、植物病原菌Streptomyces turgidiscabiesのNOS相同体をコードする遺伝子について報告し、NOS相同体の機能が植物に対する病原性に必要なジペプチド植物毒素のニトロ化であることを明らかにする。細菌の持つNOSは互いに類似性が高いことから、その一般的な機能は生合成経路におけるニトロ化であると考えられ、したがって細菌のNOSは新しい酵素群を構成することになる。また、StreptomycesのNOSの主な機能は、哺乳類のNOSの機能とは抜本的に異なることがわかった。哺乳類のNOシグナル伝達と、細菌の生合成におけるニトロ化の進化上の起源が同じであることは意外である。 Full Text PDF 目次へ戻る