Letter 物理:転位が引き起こす固体上の表面動力学 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02495 転位は、結晶性固体中で塑性変形領域を画する線欠陥である。材料表面上で終わる転位はナノ構造と界面の安定性、機械特性、化学反応、輸送現象、およびその他の表面過程に大きく影響する。ほとんどの理論および実験研究が、応力下でのバルク固体中の転位運動と、結晶成長途上の表面での転位によるステップ形成とに集中してきた一方、転位が表面動力学や形態進化に与える効果についてはほとんど知られていない。今回我々は低エネルギー電子顕微鏡を用いて、表面で終わる転位の平衡点付近の動力学を研究した。我々は、外部応力や正味の質量変化のない状態で、TiNの(111)表面で終わる転位心のまわりで核生成が熱的に引き起こされ、らせん状ステップが温度に依存する一定の角速度で回転し、形を保ったまま成長することを実時間で観察した。この現象は、転位線に沿ってバルクから表面へと点欠陥が移動するためと考えられる。我々の結果は、析出や蒸発がなくても、転位を介した表面のラフニングが起こりうることを実証し、ナノ構造の安定性を制御する機構に対する基礎的な洞察を与えるものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る