Letter 進化:雌の交配相手の選り好みは子の適応度に性特異的な利害の対立を招く 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02492 性選択の間接的利得モデルでは、雌は遺伝的に質の高い雄と偏って交配することで、遺伝可能な有利さを備えた子を得るとされる。これは一般に、単一の形態的な質の指標(たとえば鳥類の尾羽の長さ)を子の生存率と関連づけることで検証されてきた。ところが、選択は同時に多くの特徴に作用し、とりわけ単一の指標が雄の適応度と弱くしか相関しない場合には、有意の関連性の検出は制限される。さらに最近の概念上の発展から、交配のこうした偏りから得られる利得は、雌雄の生殖能力にそれぞれ異なる影響を及ぼす雌雄間で拮抗的な遺伝子のために、性特異的である可能性が示唆されている。間接的利得モデルをもっと的確に調べるには、総合的な質の指標(雄の交尾成功率など)と、成体の性特異的な適応要素(これらの要素がトレードオフ関係にある可能性を予想したうえで)との関係を調べるとよいだろう。本論文では、コオロギ科のAllonemobius sociusの父親の交尾成功率は、息子の交尾成功率と遺伝的に正の相関を示すが、娘の繁殖成功度とは負の相関を示すことを報告する。この結果は、雌が交配相手を選り好みすることで、娘と息子それぞれの適応度に拮抗する結果が生じうることを実験的に示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る