Letter

細胞:ハイスループットデータと計算データの統合による細菌ネットワークの解明

Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02456

ハイスループットの生物学的データの急激な増大により、計算(あるいはin silico)モデルを用いることで、異質なデータ・タイプの統合、矛盾点の洗い出し、仮説の系統的構築が可能になり、生物学的発見が導かれることが期待されている。こうした過程は基本的に反復的であり、各反復段階においてモデル予測の実行、実験データの取得、推定結果と実験結果の統合を行い、相異点を利用してin silicoモデルを更新していく。今回、文献およびデータベースから得られた情報に基づいて、転写調節ネットワークと代謝ネットワークを初めて統合したゲノム規模の計算モデルを再構築した。このモデルでは大腸菌の1,010種類の遺伝子を説明し、このうち104種類の調節遺伝子は、その産物が他の刺激とともに、再構築後の代謝ネットワークにおいて906種類中479種類の遺伝子の発現を調節する。このモデルは、ハイスループットの増殖表現型決定や遺伝子発現実験の結果を予測できるだけでなく、知見の欠落を指摘することで、調節および代謝のネットワークにおける以前に不明であった成分および相互作用を明らかにできる。今回、ゲノム規模の実験と計算を組み合わせるシステムバイオロジーという方法で、異質なデータ源に基づく仮説を系統的に作り出せることが明らかとなった。

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