Letter 細胞:ヒトカスパーゼ-12の多型によるエンドトキシン応答性の差次的調節 2004年5月6日 Nature 429, 6987 doi: 10.1038/nature02451 カスパーゼは、炎症カスケードおよびアポトーシスによる細胞死経路における極めて重要なタンパク質分解過程を媒介する。ヒトのカスパーゼは、サイトカインの成熟に関与する群(カスパーゼ-1、4、5)と、アポトーシスによる細胞死に関与する群(カスパーゼ-2、3、6、7、8、9、10)の機能的に異なる2つのサブファミリーに分けられる。カスパーゼ-12は、系統発生的にはサイトカイン成熟カスパーゼに近いが、マウスのカスパーゼ-12は、アミロイド-βによる細胞毒性などの小胞体ストレスで誘導されるアポトーシスを媒介すると考えられており、アルツハイマー病の発症に関係しているのではないかと示唆されている。本論文では、ヒトカスパーゼ-12の一塩基多型により、短縮型タンパク質(Csp12-S)、または完全長のカスパーゼプロ酵素(Csp12-L)が合成されることを報告する。Csp12-Lをコードする、リードスルー(読み過ごし)一塩基多型はアフリカ系集団にのみ認められ、ex vivoの全血試料において、リポ多糖によって誘導されるサイトカイン産生に対する反応性の低下をもたらすが、アポトーシス感受性に有意な影響はみられない。予備的研究でCsp12-L対立遺伝子の出現頻度が、重症敗血症のアフリカ系アメリカ人で高いことがわかった。したがって、Csp12-Lはエンドトキシンに対する炎症応答および先天免疫応答を減弱させ、このため敗血症発症の危険因子となるのではないかと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る