Letter 植物科学:シロイヌナズナのETO1タンパク質によるエチレンガス生合成の調節 2004年4月29日 Nature 428, 6986 doi: 10.1038/nature02516 エチレンガスは植物ホルモンの一種であり、重要な生長調節物質として作用する。エチレンの合成は、さまざまな生物的および非生物的ストレスに応答する際にも速やかに誘導される。シロイヌナズナのエチレン過剰合成変異体eto2およびeto3には、それぞれACS5遺伝子とACS9遺伝子に変異があることが既に確認されている。これらの遺伝子は、エチレン生合成の律速段階を触媒する1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸合成酵素(ACS)のアイソザイムをコードする。本論文では、別のエチレン過剰合成変異体eto1では、ACSの活性およびエチレン産生を抑制する遺伝子に変異があることを報告する。ETO1タンパク質は完全長のACS5と直接結合して酵素活性を阻害するが、同じ酵素の短縮型には結合せず、その結果、 ACS5タンパク質およびエチレンが多量に蓄積する。ETO1を過剰発現させると、植物生長調節物質サイトカイニンによるエチレン生合成の誘導が抑制され、プロテアソーム依存性経路によるACS5の分解が促進された。ETO1はユビキチンリガーゼ複合体の構成分子CUL3とも結合することから、基質特異的なアダプタータンパク質であると考えられる。したがってETO1には、ACS酵素活性を抑制し、またACSタンパク質を分解の標的とするという2つの機構によって作用する。このためエチレン濃度の迅速な調節が可能となる。 Full Text PDF 目次へ戻る