Letter

材料:ナノスケール質量のコンベヤーになるカーボンナノチューブ

Nature 428, 6986 doi: 10.1038/nature02496

原子スケールの組み立てに使うあまり「太くなく」、また、あまり「粘着性のない」操作ツールの開発はナノテクノロジーが直面する重要な課題である。ナノ加工の可能性は、清浄な表面上で原子や分子が走査プローブを使って操作できたことから見事に実証された。しかし、加工ツールとして、走査型トンネル顕微鏡と原子間力顕微鏡はいずれも試料を装填する能力に欠けている。すなわち、これらは既に存在する原子は操作できるが、操作する場所に原子を効率よく運んでくることができない。中空の芯を持ちアスペクト比の大きいカーボンナノチューブは、ナノスケールの物量を運ぶパイプとして期待されている。ナノチューブを充填する技術は、その応用も含めこれまで精力的に研究されてきた。さらに、カーボンナノチューブは走査プローブ顕微鏡のプローブとしても使われている。このような走査プローブ顕微鏡を使っての原子の配置と制御機能をナノチューブ搬送システムと組合せれば、強力なナノ組み立てツールが得られるであろう。本論文では、カーボンナノチューブに沿った制御性の高い、双方向の原子スケール質量輸送が実現したことを報告する。輸送物質としてはインジウム金属が使われている。この輸送プロセスは、半導体技術において極めて重要な現象として知られるエレクトロマイグレーションに類似したものである。

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