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生理:ショウジョウバエに見られる精子の死と廃棄

Nature 428, 6986 doi: 10.1038/nature02455

多くの種の雌にとって、複数の雄との交配は普通のことである。雌の多回交尾は、異なる雄の射精液の間で競争を生むだけでなく、雌の精子利用を偏らせる可能性もある。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)では、雌に最後に精液を注入した雄は、生まれてくる子の約80%の父親となる。このような精子利用のパターンでは、交尾した雄によって注入される射精液が貯留精子を貯蔵場所から排除する精子置換と、あとから注入される精液が貯留精子を阻害するとされる精子の無能力化(sperm incapacitation)の双方の関与が考えられてきた。しかし精子無能力化説は、ライバルの精子を損傷しても自身の精子を損傷しない仕組みが不明なため疑問がもたれている。精子利用の過程には雌も影響を及ぼしているが、その仕組みは正確にはわかっていない。今回我々は、精液がライバルの精子を殺さないこと、そして「無能力化」が見られるとしてもそれはおそらく貯留中に精子が老化するせいであることを示す。また、雌は第2の雄との交尾後に生殖管から貯蔵していた精子を放出し(精子の廃棄)、この過程には入ってくる精子も精液も必要でないことも示す。その代わりに、雄が貯留精子の廃棄を引き起こしているか、もしくは雌がそれ以前の交尾で得た精子を区別して射出しているかのどちらかの可能性が考えられる。

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