Letter 生態:タイセイヨウマダラの激減に先立って見られた成熟傾向の急速な進化 2004年4月29日 Nature 428, 6986 doi: 10.1038/nature02430 ラブラドル南部およびニューファウンドランド東部の沖に生息するタイセイヨウマダラ(Gadus morhua)の個体群からなる北大西洋産マダラは、過去何百年もの間、大きな水産資源となってきた。しかし1980年代後半から1990年代初頭にかけて、北大西洋産マダラは漁業史において最大級の衰微の道をたどることとなった。カナダ政府は1992年7月に北大西洋産マダラを対象とする捕獲の禁止策をとったが、10年の沖合い操業停止期間を経ても、個体群サイズは過去と比較して小さいままである。今回我々は、マダラ捕獲の禁止策をとる以前の段階ですでに、北大西洋産マダラの生活史は成熟の若齢化とサイズの小型化の方向へ継続的に移行していたことを示す。我々の解析では死亡率変化と成長による表現型可塑性の影響の混同を考慮してあるので、今回得られた知見は、理論で予想された方向への成熟パターンが漁業によって引き起こされた進化であることを示唆する。漁業関係者には、個体群減少を示す明らかな証拠が出てくるより前に、生活史の変化から警告シグナルを読み取る手段として我々が報告した手法を利用されることを提案する。 Full Text PDF 目次へ戻る