Letter

細胞:細胞間情報伝達および細胞死調節によるプログラムされた個体数制御

Nature 428, 6985 doi: 10.1038/nature02491

細胞内に遺伝子回路をde novoにつくることは極めて困難であり、予測可能かつ確実に行うためには、遺伝子発現で発生するノイズと、細胞間の表現型の差に対処しなければならない。本論文では、細胞間情報伝達によって遺伝子の発現を細胞の生存および死と結びつけることで、個々の細胞の挙動が変化しても、個体群の動態をプログラムできることを報告する。具体的には、大腸菌の個体群密度を自律的に調節する「個体数調節」回路を構築してその特性を調べた。細胞密度は菌体数感知系の要素によって伝達、検出され、今度はこの系が細胞死の速度を調節する。単純な数理モデルから予測されるように、この回路は細胞の密度および遺伝子発現を安定した定常状態にすることができ、この定常状態は細胞間情報伝達シグナルの安定性を変化させることで容易に調節できる。この回路には環境の変化に応答するプログラムされた細胞死の機構が組み込まれており、この回路を使うことによって我々はより複雑な自然の機構の設計原理を探索できる。

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