Letter 地球:地球下部マントル最上部の条件におけるMgSiO3ペロブスカイトの転移クリープ 2004年4月22日 Nature 428, 6985 doi: 10.1038/nature02472 地震学的異方性は地球深部における流れに対して重要な観測上の制約条件を与えている。しかしながら、異方性の定量的解釈には岩石の構造を作り出す原因となる構成鉱物のすべりの幾何学についての知識が必要となる。地球の下部マントルは大部分が(Mg, Fe)SiO3ペロブスカイトでできているが、MgSiO3ペロブスカイトは大気圧下の高温では安定でないので、これまで行われてきた室内変形実験によりその力学的性質を決定することは不可能だった。この制約を克服するために、MgSiO3ペロブスカイトの力学的性質を類似物質に基づいて推定する試みがなされてきた。しかし、ペロブスカイトは塑性変形に対しては類似物質の系列を構成しないので、MgSiO3ペロブスカイトの直接測定が必要となる。本論文では、最近進展した高圧レオロジー実験を利用して、粒径の大きい多結晶質MgSiO3の変形実験を下部マントル最上部の温度圧力条件下で行った。冶金学の分野で開発されたX線ピーク幅の増大を測定する手法が、対称性の低い鉱物に対しても、このような条件下で活性化した基本的な変形機構を同定するために適応できることを示す。この結果から、下部マントル最上部の条件下では、MgSiO3ペロブスカイトは転移クリープにより変形し、地球深部の岩石における地震学的異方性を生成する原因となりうると結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る