Letter 物性:粒状記録媒体における磁気スイッチング速度の限界 2004年4月22日 Nature 428, 6985 doi: 10.1038/nature02438 磁気記憶素子では、個々の磁区の磁化ベクトルを選択的に「上向き」か「下向き」のどちらかに設定することにより論理ビットを記録する。そのような素子で最も速く効率のよい記録法は、歳差スイッチングによるものだ。書き込みパルスとして磁場Bpを時間τにわたってかけると、磁化ベクトルは、Bpτがスイッチングの起こる閾値に達するまで、磁場方向に対して歳差運動する。このため、書き込みパルスBpの振幅を増すと、スイッチングに要する時間τを短縮でき、より高速の磁気記録が実現する。今回我々は極めて高い磁場の極短パルスを用いることによって、このような極限条件下では高ビット密度の磁気媒体の歳差スイッチングは、もはやある決まった磁場強度を境に起こるのではなく、広い範囲の磁場強度でランダムに起こることを示す。この挙動は、短い高磁場パルスがかかって強磁性スピン秩序が一時的に崩壊したためと考えられ、決定論的スイッチングと磁気記録の速さに究極的限界があることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る