Letter

進化:有限集団における協力の出現と進化的な安定性

Nature 428, 6983 doi: 10.1038/nature02414

自然選択による協力(助け合い)の進化を説明することは、ダーウィン以降の生物学者たちが目指す大きな目標の1つとなっている。協力行動をする者はコストを自ら引き受けて他者を助けるが、裏切り者は利他的行動に対して何ら対価を支払うことなく利得を享受するのみである。標準的なゲームの動態を公式化したものが「囚人のジレンマ」で、この場合2人のプレーヤーが協力と裏切りのどちらかを選ぶ。ゲームが何度も繰り返される場合、直接的互恵主義をとる協力者は裏切り者によって搾取されずにすむが、こうした協力者が最初の環境でどうやって生じうるのかは不明である。一般に、裏切り者ばかりの集団は協力者の侵入に対して安定だとされる。この解釈は、大きさが無限の個体群において進化的な安定性や動態を考える従来の概念に基づいたものである。今回我々は、有限な個体群で進化ゲームの動態を調べた。そして、「しっぺ返し」のような協力戦略者が1人出現した時、正味の選択的有利さに応じた確率で、裏切り者の集団に入り込めることを示す。また、有限な個体群において、自然選択が協力行動の出現に有利に働くための諸条件を導き、また有限集団における進化的安定性の概念を再定義する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度