Letter

物理:カーボンナノチューブの電子軌道磁気モーメントの決定

Nature 428, 6982 doi: 10.1038/nature02425

カーボンナノチューブ(CNT)の驚くべき輸送特性は、その独特な電子構造によって決まる。カーボンナノチューブの電子状態は1次元の電子、正孔のサブバンドを形成し、これらは一般に、あるエネルギーギャップだけ離れている。エネルギーギャップ近くの状態は軌道磁気モーメントμorbを持ち、これがボーア磁子(1個の電子スピンから生じる磁気モーメント)より非常に大きいと予想されている。この大きいモーメントはナノチューブの円周方向の電子運動から生じ、CNTの磁化率や大きい多層CNTで観測される磁気抵抗で重要な役割を果たすと考えられている。しかし、磁場と各ナノチューブの電子状態との結合の実験による定量化はまだされていない。本論文では、軸方向に磁場をかけ、個々の比較的小さい直径(2〜5 nm)のナノチューブに対して行った電気測定を報告する。磁場により誘起された電子状態のエネルギーシフト、そしてそれに伴うサブバンド構造の変化を観測した。これらの結果から、予想されているμorbの値を定量的に確かめることができた。

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