Letter

物性:銅酸化物超伝導体のファミリーにおける転移温度の普遍性の説明

Nature 428, 6978 doi: 10.1038/nature02348

銅酸化物高転移温度(Tc)超伝導体の大きな謎は、Tcが結晶の単位胞中のCuO2層の数nに依存することだ。これらの超伝導体のあるファミリーをみれば、Tcは層の数が増すにつれて上がり、n=3でピークに達し、その後下がる。その結果は釣鐘形のカーブとなる。この現象は広く見られるにも関わらず、まだほとんど理解されておらず、その代わりに、単一のCuO2面の特性のみがおもに注目されてきた。今回我々は、この実験結果を単純かつ自然に説明できることを示す。具体的には、クーパー対の層間トンネリングに、最近定量された電荷不均衡と、そこから生じる超伝導抑制効果を持った競合秩序という最新の考えを組み合わせる。釣鐘形のカーブを計算し、nが増すときに電荷不均衡を最小限に抑えるように材料を操作できれば、Tcはさらに上げられることを示す。

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