Letter 遺伝:アーバスキュラー菌根菌の個体における遺伝的変異の構成 2004年2月19日 Nature 427, 6976 doi: 10.1038/nature02290 アーバスキュラー菌根(AM)菌(Glomeromycota)は無性生殖する多細胞生物の中でも最古の分類群だと考えられている。この菌は大部分の陸上植物の根に住み着いて、そこで土壌からの無機成分の取り込みを助長し、それと引き換えに植物が同化した炭素を得る。AM菌の細胞には数百もの核がある。AM菌の個々の胞子ではリボソームDNAに並外れた多型が見られることから、AM菌の生活史全体を通じて異核共存(heterokaryosis)、つまり細胞内において多数の異なる核の共存が見られるとする説が出された。本論文では、遺伝的手法によるAM菌の異核共存説の検証を報告する。Glomus etunicatumの自然分離株で、多型性の遺伝マーカーの伝わり方と、顕微解剖した核から得たrDNAのPCR法による直接増幅とを組み合わせて調べたところ、同核共存(homokaryosis)、つまりAM菌各個体内にある核は遺伝的に均一だとする別の説を支持する結果となった。それぞれの核に含まれる胞子内rDNA多型は、組み換えによって押し進められrDNA反復配列を均一化する協調進化とよばれる過程の緩和を表している。Glomeromycota類の倍数体のゲノム構成は、核内rDNAの多型を受け入れることが可能で、無性生殖と見られるこれらの生物で蓄積する変異の影響をやわらげている可能性がある。カリフォルニア大学バークレー校(米) Full Text PDF 目次へ戻る