Letter 医学:変異時にクリッペル・トルノネー症候群感受性を示す血管新生因子の同定 2004年2月12日 Nature 427, 6975 doi: 10.1038/nature02320 血管新生因子は、血管新生の開始および血管網の維持に重要な役割を果たす。今回我々は、ヒト遺伝学的手法を用いて血管新生因子VG5Qを同定し、さらに血管疾患クリッペル・トルノネー症候群(KTS)患者でみられたVG5Qの2つの遺伝子異常を明らかにする。第1の変異は、VG5Qの転写を高める染色体転座t(5;11)である。ふたつめは変異E133Kで、5人のKTS患者で同定されたが、200人のマッチする対照集団では認められなかった。VG5Qタンパク質は、血管新生を促進する強力な血管新生因子として働き、VG5Qの発現を抑制すると血管形成が阻害される。E133Kは、VG5Qによる血管新生作用を大幅に促進する機能的な変異である。VG5Qは血管で強く発現し、血管形成の開始にともなって分泌される。VG5Qは内皮細胞に結合して細胞増殖を促進させることができるため、自己分泌的に作用する可能性が示唆される。また今回VG5Qと、別の分泌型血管新生因子TWEAK(TNFSF12とも呼ばれる)が直接結合することもわかった。これらの結果は、VG5Qタンパク質が血管新生因子であること、VG5Q遺伝子がKTSの感受性遺伝子であること、血管新生の亢進がKTSの分子レベルにおける発症機構であることを示すものである。ケース・ウエスタン・リザーブ大学(米) Full Text PDF 目次へ戻る