Letter

生化学:塩基対レベルに近い分解能で観察した1個のRNAポリメラーゼ分子の後進

Nature 426, 6967 doi: 10.1038/nature02191

大腸菌のRNAポリメラーゼ(RNAP)は、in vivoで驚くほど忠実にRNAを合成する。誤りの頻度が低いのは、連続する2段階からなる「校正」機構の働きによるらしい。第1段階(後進;back tracking)では、RNAPが転写の上流方向へ数塩基対後戻りし、新生RNA転写産物の3′末端が酵素の活性部位から離脱する。第2段階(エンドヌクレアーゼ分解)は遅れて起こるが、その間隔はさまざまで最後に取り込まれたリボヌクレオチドが切り離されて活性部位から遊離する。本論文では、超安定光学トラップ装置を新しいツービーズ法と組み合わせて、塩基対レベルに近い分解能で転写伸長のようすを調べ、RNAPの単一分子による後進と再前進を観察した。後進(約5塩基対)はDNA鋳型のさまざまな位置でまれに起こり、それに伴う一時停止は20秒から30分未満の間持続した。イノシン三リン酸は後進に伴う停止の頻度を高めたが、新生RNA鎖の切断を誘発する補助タンパク質GreAとGreBは、そのような一時停止の時間を短縮した。

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