Letter 生物保全:トロフィー狩猟がもたらす進化上好ましくない結果 2003年12月11日 Nature 426, 6967 doi: 10.1038/nature02177 トロフィー狩猟(立派な角、枝角、毛皮など記念になるものをとるための狩猟)など、表現型に基づく選択的な捕殺は、遺伝性形質が標的となった場合に野生生物の持続可能な維持管理に大きくかかわってくる可能性がある。我々は今回、トロフィーとして狙われるオオツノヒツジ(Ovis canadensis)の雄ではスポーツハンティングに対して進化的な反応が起こり、体重と角サイズが時間とともに有意に減少してきたことを示す。我々は定量的遺伝解析を用いて、急速に成長する角をもつ雄ヒツジがトロフィー狩猟の標的となった野生個体群の30年にわたる研究から一部遺伝的に再現した系図をもとに、ハンターによる選択に対して現れる雄の体重および角サイズの進化上の反応を調べた。両形質とも高度に遺伝性であり、トロフィーとして殺された雄ヒツジは狩猟で殺されなかった雄に比べて体重と角サイズの遺伝的な「繁殖価」が有意に高かった。繁殖価の高い雄は銃で撃たれる年齢も若く、それゆえ繁殖成功は高くならなかった。つまり、無制限なトロフィー狩猟に呼応して体重と角サイズの平均繁殖価の減少が起こったのであり、それが角の小さい低体重の雄ヒツジの出生につながって、次第にトロフィー級の固体数も減った。 Full Text PDF 目次へ戻る