Letter 工学:圧力誘起流による「バロプラスチック」の低温加工 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02140 プラスチック製造では従来押し出しや加圧成形で望みの形状を作るため、おもに200℃より高い温度で溶融加工し、その後固化させることが多い。この加工はエネルギーを消費し、高分子や添加剤(難燃剤や紫外線安定剤など)の相当な劣化を引き起こすため、プラスチックの性能と再生可能性を制限する。最近、ブロック共重合体ポリスチレン?ブロック?ポリ(n?ブチルメタクリレート)(PS-b-PBMA)に圧力をかけると溶融体のように振る舞うことが報告され、この挙動は現在では他のさまざまなブロック共重合体系でも確認されている。これらの高分子は「バロプラスチック」と名付けられた。しかし、どの場合も、軟らかい固体から溶融体へのレオロジー変化を引き起こす秩序?無秩序転移は、2つの成分のガラス転移温度Tgよりはるかに高い温度で観測された。今回我々は、Tgの高い成分1種と低い成分1種のナノ相ドメインを含むバロプラスチックが、室温、加圧下で溶融体のような流れを示しうることを報告する。これは、Tgの高い相を実質的に変化させない、半固体部分混合と思われる機構による。これらの系の破砕と再成形を10回繰り返しても、明らかな特性劣化は現れなかった。低温で成形可能なバロプラスチックは、製造、加工時のエネルギー消費の低減、添加剤使用量の減少、製造のスピードアップ、再生可能性の向上をもたらし、さらに、現在使われている熱可塑性エラストマー、ゴム改質プラスチック、半結晶性高分子の代替品となりうる。 Full Text PDF 目次へ戻る