Letter 生化学:PAZドメインの構造とよく保存されたRNAとの結合 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02129 RNAを介した遺伝子サイレンシング経路にはRNA干渉などがあるが、このような経路の発見によって、真核生物の遺伝子調節やウイルスに対する防御に低分子RNAが果たす重要な役割が強調されるようになってきた。Dicerタンパク質ファミリーとArgonauteタンパク質ファミリーは、このようなRNAによるサイレンシング経路に不可欠な成分である。特に、これら2つのファミリーには進化上よく保存されたPAZ(Piwi/Argonaute/Zwille)ドメインが存在するが、その生化学的機能は解明されていない。本論文では、キイロショウジョウバエDrosophila melanogasterのArgonaute1(Ago1)由来のPAZドメインについて、核磁気共鳴法によって決定した溶液中での構造を報告する。この構造は左巻きの6本鎖β-バレルでできており、その一端には2本のαヘリックスがかぶさっており、長いβヘアピン1本と短いαヘリックス1本からなる特徴的な付随構造により片側が覆われている。構造解析と生化学解析によって、このPAZドメインが5-ヌクレオチドRNAに1:1の化学量論関係で結合することが明らかになった。このRNA結合表面は、βバレルの付随構造に覆われていない側に位置し、PAZドメインファミリーでよく保存されているアミノ酸残基を含むことがわかり、この部位内に結合している一本鎖RNAの向きは5′→3′であることも明らかになった。また、さまざまなヒトArgonauteタンパク質のPAZドメインもRNAと結合することが明らかになり、このドメインのよく保存された機能が1つ確定した。 Full Text PDF 目次へ戻る