Letter 医学:ZAP-70遺伝子の変異による胸腺T細胞選択の変化はマウスに自己免疫性関節炎を引き起こす 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02119 関節リウマチ(RA)は、複数の関節滑膜が主に冒される病因不明の慢性全身性炎症疾患であり、世界人口の約1%が罹患している。RAでは、CD4+T細胞が重要な媒介細胞であると考えられているが、関節炎惹起性CD4+T細胞を産生し、活性化する仕組みは明らかではない。自己反応性の高いT細胞クローンは胸腺での正常なT 細胞発生の間に除去されることから、T 細胞選択の異常は自己免疫疾患の原因の一つではないかと考えられている。本論文では、T細胞の重要なシグナル伝達分子であるZAP-70のSH2ドメインをコードする遺伝子の一塩基突然変異が、多くの点でヒトのRAに似ている慢性自己免疫性関節炎をマウスに引き起こすことが示された。T細胞抗原受容体からの変異ZAP-70を介するシグナル伝達異常は、胸腺でのT細胞選択過程でT細胞の閾値を変化させ、本来「負」の選択を受けるべき自己免疫性T細胞に「正」の選択をもたらす。遺伝的変異が自己反応性の高いT細胞レパートリーへと偏位させるようなT細胞選択異常を引き起こしたために関節炎惹起性T細胞が胸腺で産生されることも、一部のRA の発症において重要であるかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る