Letter 聴覚:聴覚皮質の同調とスパイクタイミングの尖鋭化を生み出す均衡的抑制 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02116 一次聴覚皮質のニューロンは、音の強さと特定の振動数に同調しているが、この同調を生み出すシナプス機構はよくわかっていない。刺激が入ると、類似する応答、あるいは近傍の応答が抑えられることや、抑制を薬理学的に阻害すると同調特性曲線の幅が広がることから、皮質の受容野を作るのに抑制が機能的役割を果たしているように思われる。今回、聴覚皮質の個々のニューロンについて、音誘発応答の興奮性および抑制性活動の役割を解明する目的で、in vivoでのホールセル記録を行った。従来の側方抑制モデルからの予想とは異なり、興奮性の受容野と抑制性の受容野はほぼ同一の領域をカバーしていた。したがって、抑制は一般に興奮と同様な強さを持つが、受容野の周辺部においてさえも、必ずしも同調を成立させるわけではない。しかし、抑制と興奮は正確で定型的な時間経過で発生した。すなわち、最初に興奮性入力の群発があり、それはただちに抑制によって消失して、数(1-4)ミリ秒以内にスパイクの頭が切りとられる。均衡的抑制は、従来提唱されていたようにノイズを増すのではなく、時間的な正確さを上げて皮質の演算のランダムさを減らすのに役立っているのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る