Letter 発生:正のフィードバックに基づく双安定の「記憶モジュール」が細胞運命決定を支配する 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02089 アフリカツメガエル Xenopus 卵細胞の成熟は、細胞運命誘導の過程であると考えることができる。この過程では、未成熟な卵細胞は細胞運命の初期状態、成熟した卵細胞は誘導された細胞運命ということになる。アフリカツメガエルの卵成熟の重要な仲介役であるp42 MAPK (MAP キナーゼ) や Cdc2 (Cdc キナーゼ) などが正のフィードバックループに組み込まれていることが知られている。原理的には、このような正のフィードバックループは一回の一過性誘導刺激で能動的に維持される「記憶」を作り出すことができるため、これで卵成熟の不可逆性が説明できる。本研究で我々は、p42 MAPK と Cdc2 システムは、通常、一回の一過性刺激から不可逆的な生化学的反応を生み出すが、正のフィードバックループを阻害することによりこの反応が一過性になることを示す。この結果は、本質的には可逆的なシグナル伝達因子のグループが、システムレベルで不可逆的な反応を生み出す仕組みを説明し、細胞運命がタンパク質キナーゼ活性化の自己持続パターンにより維持される機構を示す。 Full Text PDF 目次へ戻る