Letter 言語:言語の系統樹の分岐年代は、インド‐ヨーロッパ語族の起源がアナトリアであることを裏づけている 2003年11月27日 Nature 426, 6965 doi: 10.1038/nature02029 言語も遺伝子と同様に、人類史を知るうえで貴重な手がかりを与えてくれる。インド‐ヨーロッパ語族の起源は、歴史言語学の中で最も盛んに研究されていながら未だに決着のつかない問題と言われている。またインド‐ヨーロッパ人の起源を探るために行われた幾多の遺伝学研究でも、決め手になる成果は得られていない。我々は今回、進化生物学で開発された計算法を借りて言語学データを解析した。我々はインド‐ヨーロッパ語族文化の起源を説明する2つの説、つまり「クルガンの拡大」説と「アナトリアの農耕」説を検証した。クルガン説は、今から6,000年前に現れた馬を飼養するクルガン人によって、ヨーロッパや近東地域に広がったことを示すと思われる考古学上の証拠に注目したものである。これに対してアナトリア説では、今から9,500〜8,000年前にアナトリアから農耕が広まるにつれてインド‐ヨーロッパ語族も広まったと考える。87言語を対象に2,449語彙からなる行列について解析したところ、 インド‐ヨーロッパ語族の最初の分岐が今から9,800〜7,800年前という推定年代になり、アナトリア説と驚くべき一致をみた。これらの結果は、コード化手順や測定目盛り、系統樹の根つけ、ベイズ統計解析の事前確率といったものの変化にあまり左右されなかった。 Full Text PDF 目次へ戻る