Letter 医学:緑膿菌Pseudomonas aeruginosaバイオフィルムの抗生物質耐性の遺伝的基盤 2003年11月20日 Nature 426, 6964 doi: 10.1038/nature02122 バイオフィルムは物体表面に付着した微生物集団で、プランクトンのように自由に遊泳している場合とは異なった特徴的な構造と表現型、生化学的性質をもつ。このようなバイオフィルム特有の性質の中で最もよく知られているものの1つが抗生物質耐性の出現で、細胞が浮遊生活をしている場合の1000倍にも達することがある。本論文では、グラム陰性の日和見病原菌である緑膿菌について、この強力な抗生物質耐性を決める遺伝的要因を報告する。我々は、緑膿菌に特徴的な構造をもつバイオフィルムを形成できるのにもかかわらず、3種の異なった抗生物質に対してバイオフィルム特有の強い耐性を示さない緑膿菌変異体を見つけた。今回のスクリーニングで同定された遺伝子座ndvBは、ペリプラズム中にあるグルカンの合成に必要である。ペリプラズム中のこのグルカンはトブラマイシンと物理的に結合することがわかり、このグルコース重合体は、抗生物質をペリプラズムへと隔離することによって抗生物質が作用部位に到達するのを妨げていると考えられる。これらの結果は、バイオフィルムはそれ自体が単に抗生物質の拡散障壁となっているだけではなく、このような微生物集団内の細菌が抗生物質の作用に抵抗するために別の機構も使っていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る