Letter 発生:線虫Caenorhabditis elegansの生殖系列における自己のRNAiによるトランスポゾンのサイレンシング 2003年11月20日 Nature 426, 6964 doi: 10.1038/nature02107 転位性遺伝因子は、生物のゲノム中を移動・増殖できるDNA単位である。線虫のゲノムには複数のTc1トランスポゾンが存在し、体細胞中では転位を行っているが、生殖系列では抑制状態にある。このサイレンシングが起こらなくなった変異体の多くでは、RNA干渉(RNAi)能も失われている。RNAiは、相同な二本鎖RNA(dsRNA)に接することで遺伝子の活性が抑制される現象である。本論文では、線虫の生殖系列でRNAiがトランスポゾンのサイレンシングを引き起こす仕組みを明らかにする。我々は、トランスポゾンに由来するdsRNA、特に末端の逆方向反復配列に対するdsRNAが存在する証拠を見出し、これらのRNAが転位因子全体の転写のリードスルー(読み過ごし)に由来するものらしいことを明らかにする。Tc1の低分子干渉RNAが検出された。生殖系列で発現されるレポーター遺伝子をTc1配列と融合させると、このトランス遺伝子は、機能をもった突然変異誘発遺伝子(mut-7、mut-16、pk732)に依存して抑制された。これらの結果は、散在するTc1コピーの転写の偶然起こったリードスルーがRNAi監視の引き金となり、すると、末端逆方向反復配列の「スナップ・バック」の結果としてdsRNAが形成される可能性を示している。このようなdsRNAによるRNAiがトランスポザーゼ遺伝子の発現を抑制する。 Full Text PDF 目次へ戻る