Letter 物理:乾燥が媒介するナノ粒子の自己組織化 2003年11月20日 Nature 426, 6964 doi: 10.1038/nature02087 平衡からかけ離れた系は、平衡ゆらぎがありふれている場合でも、複雑で一時的な構造を示しうる。最近、この現象の印象的な例が、不動態化したナノ結晶の薄膜溶液中において、溶媒の不可逆的な蒸発中に観察されている。溶液によって効率よく遮蔽されたナノ結晶間の比較的弱い引力は、溶媒が蒸発するにつれて顕在化し、複雑でゆっくりと変化する構造の組織化をはじめる。この凝集過程の諸相の一部は熱力学的な論点だけで説明できるが、基本的には非平衡過程である。この過程を濃いナノ結晶「液体」と薄いナノ結晶「気体」間の相分離から生まれるものとして表現すると、実験的に観察されたいくつかのふるまいをとらえられるが、ナノメートルの長さスケールでは相当な影響をもたらす溶媒のゆらぎの役割を無視している。今回我々は、蒸発する溶媒の動力学を明示的に含むナノ粒子の自己組織化についての目の粗いモデルを示す。このモデルを用いたシミュレーションはあらゆる観測された空間的、時間的パターンを説明するだけでなく、まだ見つかっていない網状の構造を予言する。 蒸発の動力学の均一限界と不均一限界に対応する、秩序化についての2つの明確な機構が明らかになった。我々の計算は溶媒、ナノ粒子の大きさ(と形状や組成)、熱力学的状態のさまざまな選択によってどのように最終構造の多様な形態が生じるかを示す。結果として得られた統計的な模様のついたナノ粒子配列の設計に対するガイドは、自発的に組織化するナノスケールのデバイスを製造できる可能性があることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る