Letter 発生:マウスでは精巣の決定にインスリン受容体ファミリーの働きが必要である 2003年11月20日 Nature 426, 6964 doi: 10.1038/nature02059 マウスの生殖腺は、体細胞と移動性の始原生殖細胞でできており、10.5日齢に達する直前の胚で中腎の肥厚により形成される。雄の性決定過程を働かせるのはY染色体上の性決定領域(Sry)で、これがセルトリ細胞系列の分化の引き金を引く。次にセルトリ細胞が形成中心として働き、精巣の分化を誘導する。Sryの発現がないとXX、XYどちらの生殖腺にも精巣は発生せず、Sryの発現に変化があると性分化の異常が伴うことが多い。Sryが雄の経路を指定し、未分化生殖腺を形作る際に働く分子シグナル伝達機構は、まだわかっていない。今回我々は、Ir、Igf1r、Irrからなるインスリン受容体チロシンキナーゼファミリーが雄の生殖腺の出現に必要であり、したがって雄の性分化に不可欠なことを明らかにする。これら3種類の受容体がすべて変異したXYマウスは卵巣が発生し、完全に雌の表現型を呈する。Sryと初期の精巣特異的マーカーSox9の発現が両方とも低下していることから、雄の性決定過程にインスリンシグナル伝達経路が必要であることがわかる。 Full Text PDF 目次へ戻る