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細胞:テロメアの一本鎖DNAに結合したPot1の構造に見るDNAの自己認識

Nature 426, 6963 doi: 10.1038/nature02092

テロメアは、直鎖状染色体の末端を覆っている特殊なタンパク質とDNAの複合体で、染色体を分解や末端どうしの融合から保護するのに重要である。Pot1タンパク質(テロメア保護タンパク質1)は広く分布する真核生物の末端キャップタンパク質で、分裂酵母、微胞子虫、植物、動物で見つかっている。分裂酵母Schizosaccharomyces pombeのPot1pはテロメアの維持に不可欠であり、ヒトPOT1はテロメラーゼの調節にかかわっている。Pot1は、テロメアの一本鎖DNA(ssDNA)にきわめて高い配列特異性を示して結合するが、その分子基盤はこれまでわかっていない。本論文では、ssDNAと複合体を形成した分裂酵母Pot1pのアミノ末端DNA結合ドメインの1.9Åの分解能での結晶構造を報告する。このタンパク質は2つのループをもつオリゴヌクレオチド/オリゴ糖結合(OB)折りたたみ構造をとっており、この突き出たループがクランプのようにssDNAと結合する。この構造から、結合の配列特異性が説明される。すなわち、Pot1タンパク質の場合には、塩基のスタッキングや通常とは異なるG-T塩基対などを介したDNA自己認識によってこのDNAはコンパクトな構造をとっているが、配列に何らかの変化が起こると、このDNAはこの構造を形成する力を失い、多数並んだタンパク質の水素結合形成基にうまく接触できなくなるのである。また、核内に大量に存在する過剰なRNAとの結合をPot1が回避するしくみも、この構造から説明される。

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