Letter 細胞:S期にDNA損傷に応じて起こるβ-TrCPによるCdc25Aの分解 2003年11月6日 Nature 426, 6962 doi: 10.1038/nature02082 Cdc25Aホスファターゼは、その機能がサイクリン依存性キナーゼの脱リン酸であることから、細胞周期の進行に不可欠である。DNA損傷または複製の停止に応答して、ATMおよびATRプロテインキナーゼがチェックポイントキナーゼChk1およびChk2を活性化し、これによりCdc25Aの過剰リン酸化が起こる。これらのことがCdc25Aのユビキチン依存性タンパク質分解を刺激し、細胞周期の進行を遅らせてゲノムの不安定化が防止される。本論文では、β-TrCPは、リン酸化されたCdc25AをSkp1/Cul1/F-boxタンパク質複合体による分解に導くF-boxタンパク質であることを報告する。低分子干渉RNAを用いてβ-TrCP1およびβ-TrCP2の発現を低下させると、S期が進行中の細胞でCdc25Aが蓄積し、電離放射線に誘発されるCdc25Aの分解が阻害されることから、β-TrCPはS期内のチェックポイントとして機能している可能性が示される。β-TrCPの発現抑制が、DNA損傷に応じた放射線抵抗性DNA合成(Cdc25Aの適切な制御ができないことと結びついたS期内チェックポイントの欠損を示す表現型)を惹起することは、この可能性に一致する。今回の結果は、β-TrCPがCdc25Aの分解を介して、DNA損傷への応答の仲介に重要な役割を果たすことを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る